体内に溜まる有害金属のうち、水銀の毒性は特に最近、無視できなくなってきました。
様々な病院やクリニックでもデトックスプログラムを設けて、持病や不調に悩んでいた多くの方が体調が良くなったと感じているという現状もあります。
私たちの身体は要らない水銀を出す努力も毎日してくれています。その時に必要な材料がないと上手く排泄できません。
特に、デトックスする必要のある人に不足しがちなミネラルと、取り入れると良い食材を紹介します。
①亜鉛
・・・含まれる食品
『牡蠣・卵・納豆・切り干し大根・かぼちゃ・かぼちゃの種・ごま・海苔・小麦胚芽・牛肉・豚肉』
体内では食事の消化や分解をはじめ、様々なところで酵素というタンパク質が必要ですが、この酵素の働きを助けるのが『亜鉛』です。
主な働きは
・タンパク質の合成
・ホルモンの合成
・免疫機能の維持
・抗酸化作用
などですが、特に代表的な亜鉛欠乏の症状は『味覚異常』『慢性皮膚炎』『爪の変形』『脱毛』があります。
亜鉛は身体を正常に維持するために絶対に不可欠なミネラルで、有害金属の排泄に欠かせません。
食事からが第一、サプリメントの利用もありですが、ストレスのない生活習慣から亜鉛の不足を補うことができます。
(→詳しくは 有害重金属 ③亜鉛とメタロチオネインを参考にしてください。)
② マグネシウム
・・・含まれる食品
『玄米・納豆・豆腐・にがり・きな粉・ごま・青のり・きな粉・牡蠣・ピーナツ』
マグネシウムも亜鉛と同様に酵素の働きを助ける(補酵素といいます。)大事な役割があります。
体内では『カルシウムとマグネシウムはセット』で働くことがわかっています。
骨の成長、筋肉の収縮、精神安定、血圧のコントロール、抗酸化作用などデトックスと関係ないところでも必須のミネラルです。
水銀が溜まっている人は、尿からたくさんのマグネシウムが排泄されます。
食事からの補充の他、お風呂の中にエプソムソルトを取り入れたり、サプリメントを使用することも大変有効です。
女性の場合、月経前に『チョコレートへの強い欲求があるか』というのもマグネシウム不足を予想するひとつの目安です。
③セレン
・・・含まれる食材
『玄米・卵・牡蠣・カツオ・かつお節・ねぎ・玉ねぎ』
セレンはもともとがんや動脈硬化の原因となる酸化した脂の毒性を軽減する抗酸化作用があります。
また、細胞の膜の機能を維持する(つまり細胞の働きそのものを正常に保つ)作用があります。
加えて、体内の水銀の毒性を軽減する作用もあります。魚介類に含まれる水銀の毒性が指摘されると同時に、魚介類に含まれるセレンがその毒性を軽減している可能性も示唆されています。
含まれる食品は一般的なものです。偏りなく食品からとることが理想的です。
④鉄
・・・含まれる食材
『豚肉・牛肉・魚(ヘム鉄)、ひじき・ほうれん草・プルーン・ビーツ(非ヘム鉄)』
鉄が不足すると、鉄欠乏性の貧血から十分な血液を全身に回すことができません。
血液には全身に酸素と栄養を運ぶ役割があるからです。酸素と栄養はミトコンドリアの機能を高め→、有害物質の排泄を促します。
鉄の補充方法は、吸収が良いヘム鉄のサプリメントや動物性の肉の摂取が効率が良いと言われています。
しかし、鉄は細胞への毒性が強く、漫然と続けていると身体を酸化させてしまいます。
よほどの鉄不足でない限りは出来るだけ食事から摂取することをオススメします。
鉄が不足する一因として、腸内細菌のバランスが悪いことがあげられますので、腸内環境を整える→ことから始めるのは近道です。
鉄はビタミンCと同時に取ると吸収が高まりますので、消化力を高める効果を期待して、肉類・魚にはレモンやゆずなど柑橘系の果汁、お酢をかけて消化力を高めるなどの工夫をしましょう。
これらの不足しがちなミネラルは、
豆腐にわかめやネギのお味噌汁、ほうれん草やひじきの副菜、卵、適量の魚、肉で補える、と思えば、実は何も真新しいことは要らないかもしれません。
人それぞれに病気の症状は異なるので、ここでは一概には言えませんが、昔ながらの食事の基本に戻って、よく咀嚼し身体に負担をかけない食事を心がけ、焦らずに心の状態を整え、出来ることをやっていきましょう。